矢口新の短期トレード教室 ──転換点を見極め、利益を残す方法を学ぶ
短期トレードは難しくない
投資運用における大きな誤解のひとつは、中長期投資のほうが、短期トレードよりも、リスクが小さいと思われていることです。ただし、中長期投資は保有期間中に起こりうる投資環境の変化に弱いです。
逆に、短期トレードはノウハウと経験、技術だけでほぼ完結します。また、結果がすぐに分かる短期トレードは、想定外のことが起きても迅速に対処できるために、傷口が広がりません。損失が出ても少なく、取り返すのも容易なのです。そもそも、想定外のことが起きる可能性も、中長期投資に比べて格段に低いのです。
相場が恐いという人は、あまり相場を知らない人です。知っている人は、難しいと言います。難しいものは、努力することで対処できます。リスクを「目の前で起きていることだけ」に限定すると、リスク管理が容易になります。
山越えを待って売り、谷越えを待って買う = 転換点の見極め
本書では、最も効率的な運用は「山越えを待って売り、谷越えを待って買う」ことに尽きると言っています。これは、言い換えれば、売り買いの「転換点」を見極めることでもあります。
ここで問題なのが、転換点を“どうやって見極めるか”です。その方法として、まず代表的なテクニカル指標を学んでいただき、そのあとで、転換点の見極めに役立つ6つの方法を紹介します。
そして、最終的には、テクニカル指標を排除した「素のチャート」にて、4つの値動き(高値&安値切り上げ、高値&安値切り下げ、抱き線、はらみ線)で、目の前の動きに対処していく(=建玉操作していく)方法を学びます。
本書で知ったことを、「学んだ」だけで終わりにしないでください。実践してみてください。何度も何度も、合理的に正しいと思われる練習を繰り返すことでのみ、技術は上達します。
著者について
矢口 新(やぐちあらた)
1954年生まれ。和歌山県立新宮高校出身。早稲田大学中退、メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス、野村證券、グリニッジキャピタル・マーケッツ、ソロモン・ブラザーズ、スイスユニオン銀行(UBS)、ノムラ・バンク・インターナショナルにて、主に為替、債券のディーラーを勤める。2002年5月株式会社ディーラーズ・ウェブ(投資顧問業)創業。2013年5月まで代表取締役社長。2013年1月より「生き残りディーリング塾」主幹。2014年4月より「投資の学校」講師。著書『実践・生き残りのディーリング』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。
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